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平成30年4月13日付中日新聞岐阜県版朝刊「交通事故減らせれば」との記事で、平成29年11月12日に岐阜市福光東県道で、原付バイクを運転していた岐阜大学4年生の大久保滉佑さんが、右折してきた普通車と衝突して死亡した事故が掲載されました。
大久保さんは、2週間後に就職が内定した会社の内定式に出席する予定であり、輝かしい前途が待っていた最中の大変不幸かつ凄惨な事故でした。

この事故は、片側2車線の交通量の非常に多い東西方向の県道での事故でした。
大久保さんは、県道を西進し交差点を直進した直後、東向き対向右折車線から南側ファストフード店駐車場に入ろうと突如右折してきた普通車に跳ねられ死亡しました。
このファストフード店駐車場は、東側交差点を過ぎたわずか10メートル程度南側に位置し、東向き対向車線から駐車場に入るためには、東側交差点を右折するために設けられた右折レーンから進入しなければなりません。
そのため、大久保さんのように西進する車両からは、対向東向き右折レーン上の車は東側交差点を右折すると思うことが通常であり、よもやファストフード店に入るために突如交差点を過ぎた地点で右折してくることを予想することは難しいと思われます。
また、対向車線から右折してファストフード店駐車場に進入するためには、交通量の多い西向道路2車線の車両及びその先の歩道の歩行者等が途切れた合間を縫って急いで通行しなければならず、危険な運転になるばかりか、ファストフード店に入るため右折レーンで右折待ちをすることになるので、東向き車線の渋滞や交差点手前の車線変更違反の原因となっていた可能性もあります。

そこで、弁護士丹羽は、大久保さんのご遺族の「二度と同じ事故で悲しむ人を無くしたい」との真摯な願いを受け、道路管理者である岐阜県に対しファストフード店に右折進入が出来ないようポール等を設置すること、ファストフード店に対しては右折進入を促す看板等を撤去することなどを内容とした要望書を提出しました。
なお、ファストフード店駐車場は、マンションの駐車場にもなっていました。

その結果、本記事が掲載された当日、岐阜県県土整備部担当者の方から、「平成30年5月中旬、中央線上にポールが設置する」旨の連絡があり、これ以降東向き車線からファストフード店駐車場に右折進入ができなくなりました。

ファストフード店では営業利益の減少が生じかねず、ファストフード店利用者やマンション住人の方々には多大なるご不便をおかけするにもかかわらず、ファストフード店関係者、マンション住人の方々、そして、岐阜県県土整備部の方々におかれましては、交通事故被害の減少のためにご理解とご協力いただいたこと、大久保さんの遺族の方々の想いを受け入れてくださったことに深い感謝の念をお伝えいたします。
なお、先に要望書を提出した岐阜県公安委員会及びその窓口となった岐阜県警交通企画課では、「センターライン上に設置できるスペースがないことやマンション住人の理解が得られないため、ポール等の設置はできない」旨回答があったことを付言しておきます。


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