後遺障害認定
事前認定右手疼痛第14級9号、異議申立てにより右手関節機能障害第10級10号、右大腿部の感覚麻痺等第14級9号併合10級の認定を受けた事案のご紹介です。
原付で道路を直進中、対向車線から路外駐車場に右折進入しようとした普通乗用車と衝突し、右舟状骨等を骨折し右手の疼痛と著しい機能障害(可動域制限)等を残し、事前認定により右手関節痛第14級9号の後遺障害認定を受けた方で、異議申立てにより右手関節可動域制限につき第10級10号、右大腿外側痛及び感覚鈍麻につき第14級9号の併合10級の認定を受けましたので報告します。
この方は、右手の痛みや関節可動域制限のほか、右手根骨を骨折され腸骨の骨移植術を受け、その後右大腿部外側の感覚麻痺を自覚しておられましたが、事前認定時に提出された後遺障害診断書では、これらの点についての記載はありませんでした。
そこで、受任後、主治医の先生に、後遺障害診断書の自覚症状欄に右大腿部外側の感覚麻痺の症状及び体幹骨(骨盤)の変形について追記いただきました。
そして、右手について事故直後や手術前後の画像を子細に検討し、異議申立書で右手可動域制限の原因となる所見がみられること、また、腸骨採取後の右大腿外側の感覚麻痺の原因を詳細に記載し(腸骨採取後の大腿外側の神経障害についてはこちらの記事をご覧ください。)、その結果、上記のとおり併合10級の後遺障害が認められました。
なお、残念ながら、骨盤骨の変形障害は、「裸体になったときに明らかにわかる程度」とはいえないとして非該当とされました。
依頼者の方は利き手である右手関節を十分使えず、大変苦労されています。
後遺障害14級と10級とでは、後遺障害部分の損害は年収額にもよりますが通常数千万円も変わってきます。
相手方任意保険/共済会社を通した事前認定での後遺障害認定の結果だけで納得して示談することなく、必ず後遺障害認定の専門的知識を持つ専門家に相談されることを強くお勧めいたします。
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被害者側
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