後遺障害認定
JA共済連の後遺障害認定手続きについて 愛知県では平成29年10月から変わります!
愛知県では平成29年10月から損保料率機構への移管が始まります!
ここ愛知県でも、損害調査業務について、ようやくJA共済連から損保料率機構への移管が開始されます。
これで、JA共済連のお手盛りによる、事前認定や被害者請求、異議申立てなどで納得できる後遺障害の認定を受けられなかった方も、平成29年10月以降でしたら、損保料率機構での「中立・公平」な損害調査を受けることができるようになりました。
相手方の自賠責保険がJA共済連で、JA共済連の後遺障害認定が納得いかない方は、異議申立手続をしてみても宜しいかと存じます。
JA共済連のこれまでの後遺障害等級認定の取り扱い
JA共済連は、一応中立的と思われる損害保険料率算出機構で後遺障害等級認定を行いその他の多くの自賠責保険・共済と異なり、自社で後遺障害等級認定手続きを行っていました。
これは、後遺障害等級認定とこれに応じた自賠責共済(保険)金を支払う機関が同一であることを意味(いわゆる「お手盛り」)し、実際に、JA共済を自賠責共済とする車両により事故に遭った被害者にとって極めて不利な後遺障害認定が相次いでおり、現在の交通事故実務での大きな問題点の一つでもありました。
JA共済連では、お手盛りにより被害者にとって厳しい後遺障害等級認定しかなされないため、適正な後遺障害等級を前提とした示談交渉に入れず、紛争処理機構に対する紛争処理申請や無駄な訴訟を提起せざるを得ず、解決まで長時間を要し無駄な手間がかかることがほとんとでした。
そのため、当事務所では、交通事故法律相談センター愛知県支部における弁護士丹羽の勉強会や本ホームページを通じて、いわゆる頚・腰椎捻挫・挫傷等のいわゆるむち打ち損傷において、JA共済連では後遺障害等級をほとんど受けられないことや、当初の被害者請求では十分な後遺障害認定が受けらず、異議申立ては必須である旨などを実例を挙げて告知し、注意を促してきました。
また、弁護士丹羽は、紛争処理機構に対する紛争処理申立ての際や訴訟の提起の際、
「なお、JA共済連については、自賠責保険・共済会社の中で、唯一自賠法上の後遺障害等級該当性判断を自社で行っているため、中立的立場から判断される損害保険料率算出機構による後遺障害等級認定に比して、被害者にとって極めて厳しい判断が下されることが多々あることは周知の事実である。本件についても、当職の長年にわたる後遺障害等級認定実務における経験上、本来であれば、明らかに自賠法上の後遺障害に該当する事案であるにもかかわらず、JA共済連により後遺障害該当性を否定されたため、やむなく本申立てに至ったものである。したがって、貴機構においては、自賠責共済がJA共済連であるという特殊性を十分ご勘案しご判断をいただくことを切に望むものである。」
など付記し、自賠責保険がJA共済連の事案であることの注意を喚起してきました。
今後のJA共済連の後遺障害等級認定の取り扱い
しかし、JA共済連も、平成28年10月から栃木県・群馬県・埼玉県を皮切りに、平成30年10月までにすべての都道府県において、その他の大多数の自賠責保険・共済会社と同じく、自社認定をやめ、一応中立的な損害保険料率算出機構において後遺障害等級認定手続きを行うとの運用に変わります。
もちろん、JA共済連が損害保険料率算出機構に移管するのは、後遺障害等級認定のみならず、有責性の判断など損害調査業務全般ですので、JA共済連も、ようやくその他の自賠責保険・共済と同じ損害調査体制に移行することになります。
このことにより、交通事故被害者にとって、相手方自賠責共済がJA共済であるからといって、更なる被害(時間的・物理的被害)を被る恐れがなくなりなることになります。
当地域でも一刻も早い損保料率機構への損害調査業務の移管が望まれます。
後遺障害認定
- 公益財団法人紛争処理センターの和解あっ旋を利用し驚いたこと
- 「痛いからまだ通院したい」は正しいのでしょうか~通院の必要性と症状固定時期について~
- 対自転車事故での後遺障害等級認定手続について
- 医師や病院の対応について~後遺障害診断書の追記・修正に応じていただけないケース
- 「足」ってどこのこと?
- 頚部痛被害者請求非該当、異議申立により第14級9号の認定を受けた事案のご紹介です
- 近時のむち打ち損傷の後遺障害認定実務の傾向について
- 弁護士選びは慎重にしましょう・2~高額な弁護士費用
- 高次脳機能障害に対するリハビリの重要性について
- 頚・腰部痛被害者請求非該当、異議申立により各第14級9号併合14級の認定を受けた事案のご紹介です。
- 事前認定右手疼痛第14級9号、異議申立てにより右手関節機能障害第10級10号、右大腿部の感覚麻痺等第14級9号併合10級の認定を受けた事案のご紹介です。
- 独立行政法人自動車事故対策機構(NASVA)名古屋主管支所様と意見交換会を実施いたしました。
- 東京海上日動火災保険㈱の2件のイレギュラーな遅延行為について(顛末記あります)
- 高次脳機能障害に関する誤解について
- 事前認定非該当、異議申立てにより顔面醜状12級14号、左恥座骨部痛及び腰痛で各14級9号併合12級の認定を受けた事案のご紹介です
- 骨盤骨折もしくは腸骨採取後の大腿外側のしびれ感について
被害者側
交通事故専門弁護士による
ブログ
保険会社や病院の不適切な対応から専門家向けの高度な知識など、交通事故被害者にとって重要な情報を惜しみなく提供し、被害者側交通事故賠償実務の発展・向上に努めています。
-
国民共済coopの度重なる回答遅延について(顛末記あります)
-
子どもや若年独身者の死亡慰謝料の基準を見直すべきです
-
㈱光文社様「FLASH」年末年始特大合併号(令和6年12月24日発売)記事掲載
-
ドライブレコーダー映像・音声データの改ざんについて
-
相談センターの示談あっ旋と紛セの和解あっ旋の違いについて
-
公益財団法人紛争処理センターの和解あっ旋を利用し驚いたこと
-
大分市194km暴走死亡事故で、危険運転致死罪が認められました
-
危険運転致死傷罪の見直しの評価と大分市の時速194km暴走死亡事故について
-
良い損害保険会社(共済)とは~当事務所での損保会社(共済)ごとの示談成立率について
-
「痛いからまだ通院したい」は正しいのでしょうか~通院の必要性と症状固定時期について~