後遺障害認定
不適切な病院の対応について
交通事故により受傷した場合どこの病院に通院すべきか、どの医師の先生を受診すべきかについては、その症状の改善効果に大きな影響を与えることはもちろんのこと、後遺障害認定や裁判の場面でもその結果を左右する大変重要な問題です。
大半の医師の先生方は、極めて多忙かつ重責を負う中で、目の前の患者さんに向き合い、その症状を緩和するために最大の努力をしていただいています。
また、我々交通事故に携わる弁護士の地道な活動が実ったのか、以前と比べると病院や医師の先生方の対応も良くなってきたと感じます。
しかし、残念ながら未だにひどい病院や医師がいることは事実です。
そこで、今後数回に分けてあまりにひどい病院や医師の対応を上げていきます。
残念ながら、このような病院や医師に心当たりがある場合、速やかに転院することをお勧めいたします。
当事務所では、治療方針は医師の先生の専権事項であり患者に対する適合性の問題があるため、また、診断内容の公平さを確保し法律事務所としての中立性を維持するため、一般に知られている限りでの専門医のお知らせ以外の病院や医師等の紹介をしておりません。
しかし、問題のあると思える病院や医師を受診しており、依頼者様も治療方針等に疑問を感じており、希望される場合は、その旨をお伝えし、転院をお勧めしています。
不十分な治療にもかかわらず、他院への通院を事実上禁止する病院
愛知県内のある病院では、「他院に通院した場合、当院では診断書は記載しません。」旨の掲示がなされている病院があるとのことです。
もちろん、医師の先生方の治療方針はそれぞれ異なるものですから、他院の医師が治療した結果についての診断書の記載を求めるのは不適切です。
そして、その病院で適切な治療が行われ、十分な治療効果があるならば全く問題はありません。
しかし、この病院では、受傷当初から投薬治療のみを行い、しかも3週間分の薬をまとめて処方し、薬がなくなったら通院するようにと指示するにとどまりました。
依頼者は、頚や腰の痛みのみならず、大腿部痛や上肢から手指のしびれ感を訴えていたのですが、投薬治療では良くなりませんでしたので、主治医に対し「リハビリや他の治療をして欲しい。」と頼みましたが、「それで、何がして欲しいの。」などと冷たく対応されたとのことでした。
依頼者は、他の病院に通院してリハビリや他の治療を検討したり、接骨院などを受診して、少しでも症状を改善したいと考えていましたが、上記張り紙のため、他の病院に通院したら今後診断書は書いてもらえないと思い、やむなく月1乃至2回程度同院への通院を続けましたが、結局症状は良くなりませんでした。
そこで、自賠責保険に対し後遺障害等級認定を申請しましたが、受傷当初から月1乃至2回程度の通院実績ですと、通院実績なしとして非該当とされてしまいますので、結局後遺障害等級の認定には至りませんでした。
病院を転々とすることは決して望ましいことではありません。
しかし、治療方針が合わない、疑問を感じた治療方針に対する納得した説明がなされないと感じた場合、速やかに転院することをお勧めします。
後遺障害認定
- 公益財団法人紛争処理センターの和解あっ旋を利用し驚いたこと
- 「痛いからまだ通院したい」は正しいのでしょうか~通院の必要性と症状固定時期について~
- 対自転車事故での後遺障害等級認定手続について
- 医師や病院の対応について~後遺障害診断書の追記・修正に応じていただけないケース
- 「足」ってどこのこと?
- 頚部痛被害者請求非該当、異議申立により第14級9号の認定を受けた事案のご紹介です
- 近時のむち打ち損傷の後遺障害認定実務の傾向について
- 弁護士選びは慎重にしましょう・2~高額な弁護士費用
- 高次脳機能障害に対するリハビリの重要性について
- 頚・腰部痛被害者請求非該当、異議申立により各第14級9号併合14級の認定を受けた事案のご紹介です。
- 事前認定右手疼痛第14級9号、異議申立てにより右手関節機能障害第10級10号、右大腿部の感覚麻痺等第14級9号併合10級の認定を受けた事案のご紹介です。
- 独立行政法人自動車事故対策機構(NASVA)名古屋主管支所様と意見交換会を実施いたしました。
- 東京海上日動火災保険㈱の2件のイレギュラーな遅延行為について(顛末記あります)
- 高次脳機能障害に関する誤解について
- 事前認定非該当、異議申立てにより顔面醜状12級14号、左恥座骨部痛及び腰痛で各14級9号併合12級の認定を受けた事案のご紹介です
- 骨盤骨折もしくは腸骨採取後の大腿外側のしびれ感について
被害者側
交通事故専門弁護士による
ブログ
保険会社や病院の不適切な対応から専門家向けの高度な知識など、交通事故被害者にとって重要な情報を惜しみなく提供し、被害者側交通事故賠償実務の発展・向上に努めています。
-
国民共済coopの度重なる回答遅延について(顛末記あります)
-
子どもや若年独身者の死亡慰謝料の基準を見直すべきです
-
㈱光文社様「FLASH」年末年始特大合併号(令和6年12月24日発売)記事掲載
-
ドライブレコーダー映像・音声データの改ざんについて
-
相談センターの示談あっ旋と紛セの和解あっ旋の違いについて
-
公益財団法人紛争処理センターの和解あっ旋を利用し驚いたこと
-
大分市194km暴走死亡事故で、危険運転致死罪が認められました
-
危険運転致死傷罪の見直しの評価と大分市の時速194km暴走死亡事故について
-
良い損害保険会社(共済)とは~当事務所での損保会社(共済)ごとの示談成立率について
-
「痛いからまだ通院したい」は正しいのでしょうか~通院の必要性と症状固定時期について~