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以前でも本ブログ(こちら)でお知らせいたしましたが、最近当事務所では他の弁護士に委任している方のご相談が激増しております。

その理由は、既に委任している弁護士が交通事故や賠償実務に詳しくない、通院や後遺障害認定に関し医療的支援も含めた有益なアドバイスをもらえないという弁護士の力量面のみならず、進捗報告が全然なくきちんと進められているか不安、弁護士と全然連絡が取れない、法律的な説明が不十分、示談を強引に勧められるなど本当に様々です。
その中でも、最近弁護士費用に関して驚くべき事実が判明しましたので、弁護士選びの参考のためにお知らせします。

当事務所のご相談者の方が、他の法律事務所にも相談に行ったところ、弁護士費用特約を利用するにもかかわらず、訴訟になった場合、弁護士費用特約から支払われる弁護士費用とは別に、訴訟着手金として高額な費用を追加で支払う必要があるといわれたとのことでした。

そもそも弁護士費用特約を利用する場合、日弁連リーガルアクセスセンターと各保険会社の間で締結された弁護士費用基準(LACの基準)にしたがうことが一般的と私は思っていますし、LACの基準では訴訟追加着手金は着手金の1/4の額と定められています。
この法律事務所では、訴訟を提起する際には、このLACの基準で定められた訴訟追加着手金に加え、相談者から別に手出しで高額な費用を支払う必要があるとのことです。

もちろん、昨今のコスト増からの値上げの必要性が社会的な要請となっており、また、各法律事務所の弁護士報酬は自由に決められますので、独自の基準で弁護士費用を定めることは何ら問題はありません。
実際に当事務所でも弁護士費用特約に加入されていない方は11万円の訴訟追加着手金をいただきますし、弁特限度額超過部分は依頼者様に自己負担いただいています。
また、この事務所のHPの料金表を確認すると、料金表の記載はあるものの、実際の弁護士費用は個々の事案に応じて決めるとされておりますので、依頼者が提示された金額に真に納得して契約したのであれば、いちいち口を出す問題でもありません。

ただ、私の感覚からして、弁特とは別に訴訟着手金を請求するというやり方には驚きましたし、その金額も高額すぎる気がします。
また、これは完全に私見ではありますし余計なお世話ですが、その法律事務所は高額な訴訟追加着手金を支払ってまで依頼するほど交通事故事件に精通しているとも思えません。
むしろ、高額な訴訟追加着手金を請求することで、手間も時間もかかる訴訟を断念させる狙いがあるのかと穿った見方までしてしまいます。

その他にも、見かけの弁護士費用はそれほど高くなかったが、手続きを進めるたびに追加で手数料名目の費用を取られ、結局高額になってしまったとのご相談を受けたこともございます。

繰り返しになりますが、弁護士費用は各法律事務所が自由に定められますので、法律事務所の経営方針に応じて色々なスタイルがあってもいいと思います。
また、昨今の値上げの風潮の中で、弁護士も旧態依然の弁護士報酬を維持できるかという問題もあります。

しかし、多くの方にとって弁護士に依頼することは一生に一度のことで、十分その良し悪しを比較する術を持たない交通事故被害者に乗じて高額な弁護士費用を請求するのは、弁護士が交通事故被害者を食い物にしているようで、とても残念に感じてしまいます。

以上のとおり、弁護士選びに失敗する理由の一つとして費用が高額であるという点も挙げられますし、弁護士費用特約に加入しているから費用負担なく安心とは決して思わず、特約以外にかかる費用もしっかり確認したうえで、弁護士を選ぶようにしていただければと存じております。


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