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当事務所でご依頼をいただいている件の相手方付保任意保険会社である東京海上日動火災保険㈱名古屋損害サービス第二部損害サービス第二課、及び、名古屋損害サービス第一部損害サービス第二課において、それぞれ看過しがたいほどの遅延行為が発生し、令和6年2月21日付で本社宛に苦情申し入れをいたしましたので以下ご報告します。

東京海上側からの連絡があり次第、顛末を記します。

顛末記です(令和6年2月27日追記)

本日、第1事件については、相手方加害者代理人弁護士の先生から、診療記録の開示手続に手間取り調査が遅れている旨の電話及びFAX文書での通知があり、第2事件については、担当者の上席(上司)の方から丁重な謝罪と、保険確認はできており本日付で速達で一件書類を送付した旨、今後は上席が窓口として対応する旨の連絡をいただきましたので、ご報告いたします。


第1事件について


依頼者様は自転車を運転中わき道から走行してきた相手方運転自転車と衝突し、右鎖骨を骨折したという事案です。

本件は自動車による加害事故ではないので、自賠責保険での後遺障害等級認定手続はないところ、東京海上の担当者は、後遺障害認定については関連会社である東京海上日動メディカルサービス株式会社にて実施したいとのことでしたので、これを了承しました。

その後、令和5年6月に担当者より電話連絡があり、『後遺障害等級第12級6号が認定されたが、疑義があるため調査をしたい。』とのことでしたので、示談交渉での解決の可能性を残すためこれも了承し、必要な書類を送付するなどして調査に協力することにしました。

ところが、同年7月に入ると、突如相手方に弁護士が就いたとの通知があり、その翌月、その弁護士から、『対案を待っているがどうなっているか。』との問い合わせを受けました。
相手方の弁護士は東京海上の顧問弁護士で、実質的には東京海上が依頼した弁護士になるのですが、打ち合わせが不十分だったのか事情を全く把握していないようで、「東京海上が調査をしたいとのことだったので、こちらとしてもその結果を待っているしかできない。」と回答をしました。
 
その後、半年以上を経過した令和6年2月になっても東京海上や相手方弁護士からは何らの連絡もないため、苦情申し立てを行いました。


東京海上の問題点


そもそも自転車による加害事故の場合、自賠責保険による後遺障害等級認定手続がありませんが、担当者の申し入れを受け東京海上の関連調査会社である東京海上日動メディカルサービス株式会社での後遺障害認定手続に付することを受け入れました。
相手方損保の関連会社である以上、その認定結果の公平性への疑念は拭えないところではございますが、訴訟を避け示談交渉での迅速な解決の可能性を残すためこれを受け入れました。
ところが、担当者は、自社関連会社の認定結果に対し疑義があるとして、さらに調査するといいながら、弁護士を立てたうえで、さらに7か月以上も何らの連絡もせず放置しています。

なお、本件で調査するとしたのは東京海上であり、相手方弁護士は東京海上から委任を受けているわけではありませんので、直接東京海上宛に苦情を申し立ていたしました。


第2事件について


依頼者様3名は、令和5年4月に人身事故に遭いましたが同年9月にすべての治療を終了し、治療費は治療終了まで東京海上が一括対応していました。
なお、この間に物的損害について先行示談を成立させ、東京海上から物的損害保険金が支払われています。

依頼者様が治療を終了したことを受け、損害の算定に入るため、同年10月に担当者宛に「治療が終了し損害の算定を行いたいので、診断書等の一件書類を送付してほしい」旨の電話連絡をし、これが了承されました。

ところが、担当者からは一向に書類は届かず何らの連絡もなかったため、同年11月に、担当者に対し状況を確認したところ、「病院への支払いが済んでいない」とのことだったので、再度書類が揃ったら送付いただきたい旨お伝えいたしました。

その後さらに1か月が経過しても何らの連絡もなかったため、同年12月に再々度担当者に電話連絡をしたところ、担当者は「実は、契約者の契約確認がとれておらず対応ができない。病院への支払いは終わっているが」とのことだったので、早急に保険契約関係の確認をいただきたい旨お伝えしました。
しかし、その後2か月が経過した令和6年2月現在においても、担当者からは何らの連絡もないため、苦情申立てに至ったものです。


東京海上の問題点


本件で東京海上がいう契約確認が取れていないというのは、おそらく被保険者から保険金請求書などの書類の取り付けができていないという手続上の不備だと考えられます。

当事務所では、以前別の保険会社で、保険契約者が保険を使わせないと言っていることを理由として保険適用を拒否されたので、保険契約者の承諾は保険適用の要件ではないとしてこれを強く争い、結局1年以上経過して保険適用が認められたという事案はありましたが、本件のような手続上の不備で、これだけ手続きが遅延することは初めてです。

事故当初から早急に保険金支払いに着手いただいたことは大変ありがたいのですが、この間、物的損害の示談が成立し、治療費の一括対応をしており、既に事故から10か月が経過しているのですから、担当者もできることはあったはずです。
少なくとも、東京海上側の事情で手続が著しく遅延しているのですから、被害者の不安を解消するため、定期的に状況を東京海上側から連絡してくるべきではないかと考えています。


『働き方改革』はとても重要なことではございますし、震災による人手不足が生じていることも理解していますが、弁護士丹羽は、交通事故被害者の早期の事件解決の利益も大変重要な事柄だと考えています。
東京海上日動火災保険㈱だけでなく、各損保会社におかれましては、早期の保険金支払いという損保会社の本分であり社会的使命を全うするためにも、事件の進行管理にもしっかりと目を向けていただければと考えています。


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