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高速道路上でトラックから追突を受け、大型バスに玉突き衝突し、右眼窩底骨折、恥座骨骨折等の傷病を負い、右眼下線条痕、右下眼瞼痙攣、左恥座骨部痛、腰痛の症状を残した外国人被害者の方で、事前認定で後遺障害非該当の結果を受け、異議申立てにより、顔面醜状12級14号(眼瞼痙攣はこれに派生)、左恥座骨部痛及び腰痛で各14級9号併合12級の認定を受けましたので、ご報告します。

この方は、事前認定で非該当とされ、相手方任意保険会社から傷害部分の損害のみでの賠償額の提示を受け、当事務所にその金額が適正かについてご相談にこられました。

ご相談の際、いまだ恥座骨部痛等が残存していること、右眼下に線条痕を残していることを確認しましたので、異議申立てを行うことを提案し、ご依頼をいただきました。

まず、眼下の線条痕及び眼瞼痙攣については、例に漏れず手術後治療を受けておらず(傷跡についてのご注意事項についてはこちらの記事をご参照ください。)、事前に整形外科で作成されていた後遺障害診断書にもその旨の記載がありませんでしたので、右眼下底骨折の手術をしていただいた病院に改めて通院いただき、線条痕及び眼瞼痙攣について明記した後遺障害診断書を新たに作成いただきました。

また、異議申立書において、恥座骨部痛については、骨折及び癒合の状態を示した画像を引用し症状が残存することが医学上説明可能なこと、また、腰痛については、受傷態様や外国人であり適切に医師に症状を伝えられなかったことなどから、恥座骨部痛と腰痛を判然と区別できないこと等を主張しました。

なお、右下眼瞼痙攣について右眼下線条痕に派生するものとされ、後遺障害該当性を認められたことは、一般に醜状障害が労働に影響を与えなにくいとされ逸失利益が認められ難い傾向にある中、眼瞼痙攣により業務に集中できないなど労働能力の減少に影響を与える事情として大変有益です。

本件のように事前認定では、後遺障害診断書に記載漏れがあっても、相手方保険会社担当者から追記や修正を求められたりすることはございませんし、担当者にはそもそも記載漏れがあったことも知らないかもしれません。
そのため、自賠責保険に対して後遺障害申請をされる際には、事前認定により相手方保険会社任せにせず(事前認定のデメリットについては、こちらの記事をご参照ください。)、一度後遺障害認定の専門的知識をもつ弁護士や専門家に相談されることを強くお勧めいたします。


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実際の異議申立書はこちら


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