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令和5年11月14日に『三井住友海上火災保険四日市保険金お支払センターの問題のある対応について』と題する記事を記載したわずか3日後の本日ご依頼いただいた件で、再び、同じ三井住友海上火災保険㈱四日市保険金お支払センターで、被害者側と加害者側が同じ四日市保険金お支払センターであることが判明し、さらに先の記事を上回る重大な問題のある事態が発生しました。

本件では、被害者に対し、加害者側の担当者が被害者側の担当者の上司であることを明言したうえで、『すべて(加害者側の)自分に言って欲しい』と伝えたとのことで、被害者もとても困惑しているとのことです。

この加害者側担当者の言動をどう善解したとしても、本件では被害者側にも過失が認められる可能性があり、被害者側の対物賠償の示談代行も必要になってきますので、加害者側の担当者が被害者側の担当者の上司であると明言し、被害者に対しすべて話して欲しいと依頼することは、その職責上の指揮・監督関係から双方の示談代行の公正さや適正さを明らかに損なう事態になることは明白であり、保険会社の示談代行を根底から揺るがす大問題です。

もともと損保会社の示談代行権限については、昭和40年代に弁護士法72条の非弁行為に該当しないかで、弁護士側と損保側で大変大きな争いがあった歴史があり、昭和48年9月1日、日本損害保険協会と日弁連交通事故相談センターとの間で覚書が交わされ、損保協会側が相談センター側に、裁判基準に準じる任意保険会社基準の作成 (第1(1))、示談代行業務を担当する社員の指導・監督、資質・能力の向上に万全を期する(同(2))、和解あっ旋機関を設ける(同(3))等を約することによって、ようやく認められたという経緯があります(覚書については、判例タイムズNo.943p5,6参照)。

弁護士丹羽は、本件は上記覚書の趣旨、すなわち損保会社の示談代行権限から事故当事者の正当な権利を擁護するという趣旨を没却しかねないという点で、単に四日市保険金お支払センターや三井住友海上火災保険株式会社本社宛の抗議や謝罪だけでは済まない、50年前に議論された危惧が現実化した大問題であると判断しています。
既に四日市保険金お支払センターは、先の記事で示しましたとおり、弁護士の職務の独立性を脅かしかねない言動についても「担当者の勘違いや理解不足」で済ましたという経緯もございます。

本件については事の重大際にかんがみ、弁護士丹羽も事業運営委員を務める日弁連交通事故相談センター本部と協議しつつ進めて参ります。


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