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診断書への当該部位に対応する診断名記載の重要性

賠償実務上、どの部位にどのような症状を負ったかについては、警察や勤務先に提出する通常診断書、原則毎月保険会社に送られる経過診断書、残存した症状を記載する後遺障害診断書等に、受傷当初から後遺障害診断書まで一貫してしっかりと受傷部位に対応する適切な診断名が記載されているかは大変重要です。
その前提として、受傷当初から生じている症状を医師の先生に漏れなく適切に伝えていただく必要があることはいうまでもありません。

受傷当初の診断書に当該部位に対応する診断名が付与されていないなら、損保会社側から「その症状は事故で生じたのではない」などの主張がなされますし、そもそも後遺障害診断書に症状の記載がない場合や、症状の記載があったとしてもその部位に対応する診断名が付されていない場合は、後遺障害等級認定の対象にはなりません。


「足(あし、そく)」はどの部位か


一般的には、「足(あし)」とは大腿部・膝・下腿(脛)・足首・足甲裏・趾(足指)までの下肢全体を広く指すイメージですが、医学上は、「足(そく)」として「足首」を指し、「足関節」とは「足首の関節」のことを指します(同じく「手関節」とは「手首の関節」を指します)。

ですので、例えば右膝や右足首を受傷しいずれの部位にも症状が生じているにもかかわらず、診断名として「右足関節捻挫」のみの記載しかない場合、右膝の診断名は付されていないとみなされてしまいます。

一般の方からすると「足」との診断名が付されていれば、足全体を受傷したことがわかると考えがちですが、診断書等の「足」の記載は足首のみを指していることが原則であることをご認識ください。
一概に「足」といっても、大きく分けても上記のとおり、大腿部・膝・下腿(脛)・足首・足甲裏・趾(足指)までありますので、医師の先生に症状を訴える際には、左右を区別することはもちろんのこと、「足(あし)」のどの部分に症状があるのかしっかりと区別してお伝えすることが重要です。


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